流行について

流行というのは、勝手にできて勝手に廃れていくような印象がありますよね。
「流行だから」ということもありますが、ある程度その流行がかわいい、素敵だと感じるから商品を購入して身につけたりするわけですし、消費者の意識が流行を生んでいるという解釈が正しいと思われがちです。

流行は決められている

しかし、実際にはそうではなく、流行というのは決められるべくして決められ、流行るべくして流行っているということをご存知でしょうか?

流行というのは、各機関や団体がそれぞれの検討のもとに生んでいます。
まずは色。
実際に製品を販売する約2年くらい前から、「インターカラー(国際流行色委員会)」という団体が、流行の色を相談し、決定します。
世界の国々が加盟しており、現在では17カ国が加盟しており、その中には日本も含まれています。

色が決まったら、トレント情報会社が素材や形などを検討して発表します。
トレンド情報会社というものがあることを今初めて知ったという方も多いかと思いますが、こうした会社がトレンドを発信することで、みなさんが「今年はこれが流行する」という情報を得るのです。
もちろんその中にはファッション誌などからの情報も含まれます。

そして、実際に商品を販売する1年前くらいから糸や素材の選定が行われ、デザイナーが商品の制作に入ります。
こうして商品がファッション大好きな人たちのもとに届いていくのです。

デザイナーになるための専門学校では、これらの知識や繰り返す流行のデザイン、バリエーションを増やすためのデザインの歴史など、様々なことを学ぶそうです。
そうして技術を高め専門知識を得たプロフェッショナルが毎シーズンデザインするため、流行の服は素晴らしいデザインになります。
それにしても、流行が決定してから商品が消費者の手元に届くまでに2年も経っているというのは驚きです。

流行を取り入れつつもオリジナル性のあるおしゃれを

アパレル販売員の方などは経験されていると思いますが、販売員はシーズンごとに新商品の研修があります
そこで、「今季はこれが流行する」という通達を受けるのですが、流行を消費者が創りだしているのであれば、こうした研修が事前に行われることはありませんし、その流行通りの商品を店頭にタイミングよく並べることは不可能ですよね。
ファッション業界に踊らされているといってしまえばそれまでかもしれませんが、こうして流行が決まるんだということがわかっても、やっぱり流行りを追いたくなってしまうものです。

今はただ流行りを追うというよりも流行を取り入れながら独自のファッションを作り出すおしゃれ好きな方が増えていますが、自分で好きな服を切ることが好きなように、流行りを追うというのもまたとても楽しいものだったりします。
こうした楽しさを提供するために、流行を定めているファッション業界というのは、オシャレ好きの心をわしづかみにしているといっても過言ではないかもしれません。